前編:新ブランド 『MeWORK(ミワク)』 誕生までの歩み
AOKIから2024年10月に本格デビューした、働く女性のための高機能レディースウェア・ブランド『MeWORK』。目指すのは、働く女性たちの“個の悩み”を、AOKIならではの機能性や快適性、そして仕事着として映えるデザイン性で解消することです。前編では、AOKIでレディースの商品開発がどのように始まり、どのようなブレイクスルーを経て『MeWORK』のブランド化に至ったのか、その歩みをつづります。
始まりは、紳士服売り場の片隅の1コーナーから
AOKIがレディースのパーソナルオーダースーツを取り扱い始めたのは、2002年のことです。当時は、紳士服売り場の片隅にある、たった3坪ほどの空間でした。その後、2008年に初めて既製服を発売し、本格的なレディース商品の展開に乗り出します。
滑り出しはけっして順風満帆とはいきませんでした。すでに創業から50年が経っていたAOKIには「郊外型紳士服専門店」のイメージが定着し、レディースの服を扱っている店だと認知されていませんでした。また店舗には女性販売員が多くいたものの、まだ女性向けの商品知識や接客ノウハウは少なく、レディース商品の展開はすべてが手探りでした。
そうした背景から、初めての既製服はコンセプトや型紙、素材などが当時の働く女性にはなかなか認知されず、苦戦するスタートとなったのです。

メンズで定評の高かった「式服」がブレイクスルーに
レディース商品の知名度を上げる突破口となったのが、「リクルート需要」です。もともとAOKIのメンズ商品は、ベーシックで節度ある式服の安心感に定評があり、顧客様のご息女様がリクルートスーツをお求めになるというニーズも生まれ始めていました。そこでAOKIレディースでは、メンズスーツのノウハウを活かした「式服」を、成長戦略の中心に据えます。
その結果、2010年ごろから就活や大学入学式用スーツの市場シェアを獲得し、業績を大幅に拡大。それに伴って、「フレッシャーズ・リクルートスーツは、郊外型紳士服専門店で購入する」という潮流もつくることができました。
ところが、加速する少子化の流れを受け、「フレッシャーズ・リクルート」におけるマーケット人口が次第に減少。そうしたなか、2014年ごろから着目したのが、「働く女性」のマーケットでした。

日常でジャケットを着る女性の悩みを徹底調査
働く女性に着目した背景には、当時の社会課題に対する気付きがありました。
近年、働く女性の数は増加の一途にあり、2016年には「女性活躍推進法」が施行。女性の社会進出に伴い、「出産」や「育児」、「家庭と仕事の両立」といった新たな課題も浮き彫りになってきました。AOKIはビジネスウェアを通じて働く女性をサポートし、レディース戦略の強化・拡大を図りました。
商品づくりの一端を担うのが、働く女性たちの悩みやリアルな声をすくい上げるための研究機関「ジャケジョ研究所」です。たとえば、同研究所の調査では、働く女性の服に対する悩みが「ケア(服のお手入れ)」と「チョイス(シーンに応じた服の選択)」の2つに大別されることがわかりました。こうしたさまざまなインサイトを生かしながら、「働く女性をサポートする」という新たな“灯台”を目指して始動したのが、高機能レディースウェア・ブランド 『MeWORK』です。

機能性と快適性で、働く女性に寄り添う
『MeWORK』が目指すのは、働く女性たちの“個の悩み”を解決すること。
たとえば着る服に、「自宅洗濯が可能」「シワになりにくい」「ストレッチ性がある」といった機能や快適性が備わることで、タイムパフォーマンスが向上します。また、「シルエットがきれい」というデザイン性が気持ちを前向きにさせ、働くことや人生そのものをもっと楽しめるようになる――。
このように、服を通して働く女性に寄り添うことこそが、『MeWORK』の使命です。お悩みを解決する“ソリューションブランド”としたことで、機能性というAOKIの強みに、あらためて立ち返りました。
『MeWORK』は、2024年に部署横断のプロジェクトチームを発足し、同年10月に本格的なブランドデビューを果たしました。変わりゆく時代のニーズやトレンドを捉えながら、社会で活躍する女性たちに真に求められ、頼りにされるブランドを全力で目指しています。
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