アニヴェルセル みなとみらい横浜は、社会貢献活動の一環として、廃棄予定だった花を再利用する「中区ロスフラワープロジェクト」(以下、「ロスフラワープロジェクト」)に参画しています。
SDGsへの関心の高まりとともに注目を集め、みなとみらいエリアの活性化やにぎわいの創出に貢献する本プロジェクト。今回は、ロスフラワープロジェクトにかかわる横浜市中区役所の工藤様、はな工房の呂様を迎え、プロジェクトの目的や花を通じて生まれる地域とのつながり、プロジェクトに対するそれぞれの思いを紹介します。

PROFILE
横浜市中区役所
総務部地域振興課
地域活動担当係長工藤 岳
(くどう たけし)
「地域とのつながり」を担う地域活動担当として、自治会町内会、商店街の地域活動の支援や、防犯、交通安全など区民の安全・安心につながる事業に取り組んでいる。「ロスフラワープロジェクト」では、区内のさまざまな事業者などと連携し、「ロス」を新たな価値の創出(アップサイクル)につなげ、取り組みを通じた地域の活性化に注力している。

PROFILE
合同会社さやかな光 はな工房 代表呂 翠瑛
(ろ すいえい)
2022年に福祉事業所「はな工房」を設立。中区障がい者団体連絡会に所属し、お菓子づくりや花の販売などを行う。「はな工房」という名前には、路地やアスファルトの間に咲いている花のように、地域に根づきながら力強く咲き、街をあたたかくする事業所にしたいという思いが込められている。

PROFILE
アニヴェルセル株式会社
商品部 商品開発管理担当責任者山内 歩美
(やまうち あゆみ)
ウェディング商品の企画・開発・管理を担う。アニヴェルセルのSDGsプロジェクトのメンバーとしても活動し、社会貢献活動の一環としてロスフラワープロジェクトに参画。窓口として自治体や事業所との連携を深めている。
SDGsをもっと身近に。ロスフラワープロジェクト始動
―ロスフラワープロジェクトがスタートした経緯を教えてください。
- 工藤:
- 横浜市のSDGs・脱炭素推進や、2027年に開催予定の「GREEN×EXPO 2027」に向け、環境に対する市民の行動変容を促す取り組みの一環として、2022年にロスフラワープロジェクトがスタートしました。廃棄される花を新しい価値につなげることがプロジェクトの根幹となっており、花を提供してもらう連携先の一つとして、ウェディング業界としては初めてアニヴェルセルさんに協力を打診しました。
- 山内:
- 当社が提供しているロスフラワーは、毎月の顧客向けイベントで会場の装飾例として見せるために、式場が用意しているものです。イベント後の花は、社外でもう一度活躍することはなく、役目を終えていました。アニヴェルセルとしてもサステナビリティ活動に力を入れているため、お話をいただいた時に「ぜひやりたい」と思い参画を決めました。
―呂さんがはな工房を立ち上げた背景と、プロジェクトに参画した理由を教えてください。
- 呂:
- 特別支援学校の教師をしていた時に、卒業生の就職や生活の支援に課題を感じていました。生徒たちが卒業後も人生をいきいきと過ごしてほしい。そんな思いから、はな工房を立ち上げました。
利用者が増え、新しい仕事を探していた時に中区役所の方からロスフラワープロジェクトのお話をいただき、事業所の理念ともリンクしていると感じて、快諾しました。

廃棄予定の花が、新たな作品に生まれ変わる
―ロスフラワープロジェクトでは実際にどんなことをされているのでしょうか。
- 工藤:
- アニヴェルセルさんなどの協力企業から集めた花は、はな工房さんやほかの事業所で「作品」として生まれ変わったり、地域の方が参加できるリースづくりのワークショップなどで活用したりと、さまざまです。
花を通じて企業と団体とをつなぎ、コーディネートするのが私たち中区役所の役目です。このプロジェクトでは、捨てられるものを減らすだけではなく、「アップサイクルして新しい価値にする」ことが一番大事だと考えています。
プロジェクトを通してSDGsへの貢献だけでなく、はな工房さんをはじめとした事業所の利益にもなり、その先の購入者の喜びにもつながるという好循環をつくりたいですね。 - 呂:
- アニヴェルセルさんから提供された花は、ブーケや小さい花束に作り直して店舗で販売しています。一度役目を終えてから生まれ変わった花をできるだけ多くの人にお届けできるように、一般的な花屋よりも手に取りやすい価格設定を心がけています。
- 山内:
- イベントで一度しか表に出なかった花たちが、はな工房の皆さんの手によって生まれ変わり、地域の方の家に飾られたり、その周りの方へのプレゼントになったり。社会貢献の輪が広がっているんだということを実感できて嬉しいです。

地域から広がるサステナビリティの輪
―地域での反響はどうですか?
- 呂:
- 事業所横にある店舗に花を並べていると「これはどうしたの?」「こんなお得な値段でいいの?」と声をかけられるんです。「アニヴェルセルさんから譲り受けた花を再利用している」という経緯を説明すると「それなら3つ買っていく」というお客さまもいます。
ロスフラワー作品を購入することを通じて、お客さま自身もSDGsへの貢献の一端を担えると感じているのではないでしょうか。次第にファンができて「次の花はいつ来るの?」という問い合わせも増えてきました。花を通じて地域の方とお話しするきっかけができ、私たちの作品がいろいろな人の手に渡っているということが嬉しいです。
―アニヴェルセルが参画してから、何か変化はありましたか。
- 工藤:
- これまでは花の提供機会が半年に1回でしたが、アニヴェルセルさんとの連携後は毎月提供いただけるようになりました。そのため福祉事業所が創作活動で花を活用できる機会も増え、プロジェクトがより活性化しています。また、アニヴェルセルは利用される方も多く、地域でも有名な式場ですので、このプロジェクトが多くの人の目に留まる機会も増えたと思います。
- 山内:
- プロジェクト参画後に取材依頼や他社からの連携依頼などが増え、予想以上の反響に私たちも驚いています。自分自身の価値観も大きく変わり、日頃からサステナビリティ活動としてできることがないかを考える時間が増えたのも変化の一つです。
ロスフラワープロジェクトを全国へ
―ロスフラワープロジェクトのこれからについて、皆さんの思いを教えてください。
- 工藤:
- まずは、ロスフラワープロジェクトを通じて、地域の方が環境について考えるきっかけになり、行動変容につながれば嬉しいです。そしてこういった取り組みが、中区だけでなく横浜市内全域、将来的には全国にも広がると良いと思います。花の提供先や活用場所がさらに拡大し、もっと多くの方に知っていただけるように取り組んでいきます。
- 呂:
- 地域のお客さまが身近なことでSDGsの役に立てる。そのお手伝いができているとしたら嬉しいです。これからも、三者の連携を強化して関係性を深めていけたらと思います。喜んでいただけるお客さまはもちろん、事業所の活性化のためにもこの活動を続けていきたいです。
- 山内:
- ロスフラワープロジェクトを通じて地域とのつながりを実感できて嬉しいです。これを機に、他の式場や企業にもプロジェクトの認知が広がっていくことを期待しています。アニヴェルセルとしては、結婚式場という枠を超えて地域との連携を大切にしながら、新たなお客さまとの出会いにもつなげていきたいと思います。

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