2003年に1号店をオープンした複合カフェ「快活CLUB」は、以降、世の中のニーズに応えて店舗数を着実に増やし、その業界シェアは約50%とNo.1のプレゼンスを誇っています。近年はビジネス、勉強、健康などの分野も強化し、複合カフェの枠を越える存在となった快活CLUB。その成長の軌跡と今後の展望を(株)快活フロンティア代表取締役社長・竹島文明に聞きました。
PROFILE
株式会社快活フロンティア 代表取締役社長竹島 文明(たけしま ふみあき)
2001年 (株)アオキインターナショナル(現・AOKIホールディングス)入社。2004年に快活CLUBへ異動。以降、新店舗の立ち上げや営業企画などを担う。西日本地区営業責任者などを経て、2021年に常務取締役 営業本部責任者 兼 快活CLUBの事業責任者に就任。2022年より現職。
なぜ、AOKIグループが複合カフェをはじめたのか
1998年、AOKIグループは、少子高齢化などの事業環境変化を踏まえ、ファッション以外の業界にも参入。カラオケのコート・ダジュール、ブライダルのアニヴェルセルという新事業を立ち上げていました。そして2000年に入り、さらに新しい柱を生み出そうと検討し始めました。
「まずは、複数の企業とフランチャイズ契約を結び、ビジネスモデルを学びました。その中で着目したのが、複合カフェの業態でした。オン(仕事)で大活躍するために、オフでは思い切りリラックスしていただく。そんな複合カフェは、グループコンセプト『人々の喜びを創造する』とも一致していました。」
そうして誕生したのが快活CLUBです。バリ島のリゾートホテルをテーマにした落ち着いたインテリアと安心を確保する完全会員制を特徴とし、清潔な空間とおいしい食事の提供にも注力。安心して快適な時間をすごせる複合カフェは、まさに時代が求めるビジネスでした。
ビジネス利用など多様なニーズを先取り
ファッション事業の遊休スペースへの出店やレベルの高い接客文化など、グループのシナジーもあり、快活CLUBは着実に成長を遂げていきます。
「AOKIの社員が快活CLUBを運営している(株)快活フロンティアに転籍したことで、おもてなしの接客が継承されました。その点も、快活CLUBの大きな強みとなりました。」
2003年の1号店オープンから3年目には、早くも50店舗を達成。2005年には「おひとりさま」が流行語大賞にノミネートされるなど、複合カフェへのニーズは、より高まっていきました。そうした中で快活CLUBでは、カラオケの併設や女性専用エリアの導入、さらにはギガ回線や電子決済の導入、完全分煙の全店標準化など、お客様のニーズを次々と先取りし、店舗数を拡大していきました。
さらに2017年には、鍵付完全個室がある店舗を出店しました。
「それまでは四方を壁で囲んだブースタイプが主流でしたが、よりプライバシーを重視されるお客様ニーズに応えるべく導入しました。その後、コロナ禍でリモートワークをはじめビジネス用途が大幅に拡大しました。この結果、コロナ禍の影響からいち早く回復できました。」
また、2022年には、可動式モニターやゲーミングチェアを導入して仕事のしやすさを極めた「Bizルーム」の導入も開始。さらに、一部店舗で東商検定や日商検定(IBT方式)の受験も可能にするなど、ビジネススキルの習得にも貢献しています。
こうして、時代のニーズに寄り添った施策によって快活CLUBは右肩上がりに成長を遂げてきました。今や複合カフェ業界でのシェア率は、相対的な安定シェアといわれる41.7%を大幅に超え、約50%にのぼります※。
※ 23年3月期末
複合カフェを超えて。「快活CLUB」という新たなジャンルへ
そして今、快活CLUBは、また新たな挑戦に着手しています。
「お客様調査では、健康や体型を気にしつつも、一般的なスポーツジムはハードルが高くて行きにくいと感じる方が多くいらっしゃいました。そこで、マンガを読む延長線上でライトな運動ができるフィットネス機器をトライアルで導入、すでにお客様から上々の反応をいただいています。」
また昨今では、インバウンド需要の回復にともない外国人ユーザーも増加。観光時の拠点にも利用できる、と快活CLUBならではの利便性が口コミで広がっています。
「快活CLUBの業態は、すでに複合カフェの枠に収まらなくなりつつあります。これからは、『快活CLUB』そのものが、一つのジャンル名となるような状態を目指したいと思います。そのために、お客様や社会のニーズを先取りし、柔軟な発想で新しいサービスの創造に挑戦していきます。」
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