AOKIには、接客サービスの基礎となる仕組みがあります。それが、2004年に導入した、独自のスタイリスト制度です。充分なファッション知識や商品提案力を身に付けた販売員を「AOKIカスタマーズスタイリスト」として認定するもので、認定者はスタイリストバッジをつけてお客様の要望に沿ったスタイリングを提案します。2022年にはより時代に即した制度へバージョンアップ。今回はAOKIのスタイリング力の神髄であるこの制度に迫ります。
独自のスタイリスト制度ができたわけ
1990年代、服装に対する価値観は変化し、個々のお客様に向き合う接客がAOKIでも求められるようになってきました。また、1990年代後半における自治体や商社、金融機関による「カジュアルフライデー」の導入がきっかけとなり、着こなしや服装の価値基準はさらに遷り変わり、世間一般に「オフィスカジュアル」が浸透したことで、それまでスーツを中心に着用していたビジネスパーソンが服装選びに困る機会が増えてきていました。創業時からスーツのコーディネートを得意としていたAOKIの販売員も、こうした新たなトレンドを踏まえて、あらためて「お一人おひとりが輝けるスタイリング」の提案を目指すこととなります。
その一環として、有識者監修のもと、服飾の歴史、色彩学、体型学、ドレスマナー、そしてコーディネートやテーブルワーク(商品の見せ方)といったスタイリストの礎となる知識を体系化。AOKI独自の学習マニュアル「DRESSING RIGHT」による教育を軸とした「スタイリスト制度」の運用を2004年に開始しました。
お客様に喜んでいただける接客の型が全店へ波及
リアル店舗の最大の強みは、対面でのやりとりを通してお客様の要望や趣向を把握し、その人に寄り添ったスタイリングを提案できることです。当然、お客様によって求める知識や、好み、ニーズは異なり、お客様ごとに提案内容を変えていく必要があります。
その点AOKIの販売員は「スタイリスト制度」が導入されたことで、お客様お一人おひとりが輝けるスタイリングを「感覚」ではなく「ロジック」で理解し、自信を持って提案できるようになりました。
社内では、スタイリスト認定に向けた動画学習や集合研修など、学びの場も提供されています。また、パートナー社員(アルバイト社員)も認定試験にチャレンジすることが可能で、店舗全体の接客レベルの向上につながっています。 現在、認定バッジをつけた約2,500名のスタイリストが、全国のAOKI店舗で活躍中です。
バッジは“接客スペシャリスト”の証
同制度で設定しているのが、「シルバースタイリスト」と、その上位ポジションである「ゴールドスタイリスト」という2階層です。
シルバースタイリストとしての知識を習得するには、早くても1年はかかります。さらに、そこからゴールドスタイリストとして認定されるのはほんの一握り。ある一定の条件を満たすとゴールドスタイリスト試験に臨むことができますが、そこでは高いレベルの知識・技術・人間性を求められ、狭き門をくぐり抜けなければなりません。そしてそのポジションを維持するには、さらに厳しい基準をクリアする必要があります。このような厳しい条件をクリアすることで取得できるスタイリストバッジは、接客スペシャリストの証といえます。
より時代に即した形にアップデート
導入から18年が経った2022年、AOKIのスタイリスト制度は、より時代に即した形へとアップデートしました。
導入当初は、コーディネートテーブルに商品を並べて接客する「テーブルワーク」が中心でした。近年は多層階店舗や小スペース店舗の増加、最短時間で買い物をしたいお客様が増えたこともあり、ハンガーに掛けた状態での提案「ハンガーワーク」や、販売員がおすすめコーディネートを着用した写真をECサイトやSNSに掲載する「スタッフスナップ」などデジタルツールでの提案の比重も高まっています。お客様の価値観や求める購買体験の多様化によって、提案方法の幅が広がり、売り場づくりにも変化が生まれています。あわせてアイテム数の増加に伴い、商品知識のインプット量も格段に増えました。
アップデートした制度には、そうした時代の変化がしっかり反映されています。AOKIはこの先も変化し続ける価値観やライフスタイルの機微をとらえ、スタイリスト制度も進化させながら、お客様の魅力を最大限に引き出す提案をしていきます。
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